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書評・映画評(DVD含) ブログトップ
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【書評】林扶美子『浮雲』 [書評・映画評(DVD含)]

『放浪記』で有名な林扶美子の代表作のひとつです。


浮雲 (角川文庫)

浮雲 (角川文庫)

  • 作者: 林 芙美子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: 文庫



主人公はある若い女性です。
戦中に仏印にタイピストとして渡り、そこで男性と不倫関係に陥ります。
そして敗戦とともに引き上げ、極貧の生活を送っては、流されるように多くの男と関係を持ち、生活が上がったり下がったりし、最後は仏印で不倫関係にあった男性と屋久島にまで渡り、そこで死を迎えます。
戦後の混乱期という時代が色濃く出ている作品であると同時に、当時のある女性の生き方、強さとか弱さとか、そうした全てを表現したかったのかなと思います。
多作である林扶美子の代表作のひとつです。

あの時代を追体験したいひとのために!

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【書評】坪内逍遥『小説神髄』 [書評・映画評(DVD含)]

近代日本文学の幕開けとなる本です。


小説神髄 (岩波文庫)

小説神髄 (岩波文庫)

  • 作者: 坪内 逍遥
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/06/16
  • メディア: 文庫



江戸時代の日本文学は戯作と呼ばれる勧善懲悪を中心とした作品が主でした。
それを西洋小説のように人情を中心とすべき、という論が中心で、後半に技術論が出てきます。
”日本の小説は主人公がはっきりしない”という主旨の論説があり、ああなるほど、と合点がいきました。
古きものを否定していますが、文体的には江戸時代の雅な文章を引きづっており、パイオニアの苦しみを感じます。
どちらかというと、歴史的資料として読む本だと思います。

日本文学史を勉強したいひとのために!
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【書評】森鴎外『舞姫』 [書評・映画評(DVD含)]

日本近代文学の幕開けを告げる記念碑的作品です。


舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

舞姫・うたかたの記―他3篇 (岩波文庫 緑 6-0)

  • 作者: 森 鴎外
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1981/01/16
  • メディア: 文庫



この短編が書かれたのは、明治23年です。
江戸時代を思わせる雅な文体がかなり残っており、晩年の作品と比較するとかなり読みにくいです。
美少女エリスとの出会いをロマンたっぷりに語り、江戸時代の勧善懲悪とは完全に一線を画しています。
まだ文学上の技術開発が進んでいない時期なので、あらを探そうと思えばいろいろ出てくるかと思います。
ただ、現代目線ではなく、当時目線で見れば、すごいなあと思います。

日本文学史の記念碑的作品として!

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【書評】貴志祐介『エンターテイメントの作り方』 [書評・映画評(DVD含)]

エンターテイメント小説の旗手である貴志祐介が、エンターテイメント小説の作り方を語ります。


エンタテインメントの作り方

エンタテインメントの作り方

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川学芸出版
  • 発売日: 2015/08/26
  • メディア: 単行本



この本の特徴は、なにより、実践的であることです。
こうしなさい、あーしなさい、といった口調は少ないです。
小説はなかなか思い通りにいかないものだから、万全な準備をした上で、自由に書く。
本書を1行で要約するとこうなると思いますが、
細かい技術的なことも書いてありますが、なにより学ぶべきは姿勢であり、様々な経験です。
エンターテイメント小説を目指すアマチュアには、必読の一冊だと思います。

エンタメ小説家を目指したいひとのために!

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【書評】ジョン・コラピント『ブレンダと呼ばれた少年』 [書評・映画評(DVD含)]

極めて優れたドキュメンタリーです。


ブレンダと呼ばれた少年―ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか

ブレンダと呼ばれた少年―ジョンズ・ホプキンス病院で何が起きたのか

  • 作者: ジョン コラピント
  • 出版社/メーカー: 無名舎
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本



主題となっているのはディヴィッド・ライマーです。
彼は正常な男性として誕生しながら、手術の失敗により陰茎の大部分を失い、ジョン・マネー医師の指導の元、性転換手術を受けて女性として育てられました。
これは当時、人間は中性として誕生し、文化的な抑圧により男性・女性の自己認識が生じるという理論に基づいて実施されました。
彼は双子であり、その片方が性転換手術を受けたことで、格好の被験者となりました。
性転換が成功すれば、性差が文化で決まるという最高の症例となるからです。
そして、彼は「女性として順調に成長している」と学会で発表され、この症例が根拠とされて多くの少年少女が性転換手術を受けました。
しかし、その実、ディヴィッド・ライマーのケースは完全なる失敗でした。
この真実が明かされ、彼が男性に戻るまでの、まさに戦いの記録です。
非常に優れたドキュメンタリーだと思います。

彼はこの本が出版された3年後に自殺しました。
冥福を祈りたいです。


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【書評】スペンサー・ウェルズ『アダムの旅~Y染色体がたどった大いなる旅路~』 [書評・映画評(DVD含)]

Y染色体の分析から、人類の起源を探ります。


アダムの旅―Y染色体がたどった大いなる旅路

アダムの旅―Y染色体がたどった大いなる旅路

  • 作者: スペンサー ウェルズ
  • 出版社/メーカー: バジリコ
  • 発売日: 2007/01/01
  • メディア: 単行本



Y染色体は男性しか持ちません。
そのため、異性間で遺伝子の交換が行われないため、息子にそのまま伝わります。
よって、Y染色体を調べれば、先祖のことがかなり分かります。過去に発生した突然変異をマーカーとして利用することで、人類が拡大してきた旅路を再現することができます。
それが、この本のテーマです。
分析したところ、全ての人類の祖先は、わずか5万年前にアフリカに住んでいたある男性に行き着きます。これが全人類のアダムです。
そこから徐々に広がっていき、南アメリカまで到達したのが約1万年前です。

染色体と考古学的証拠に基づいて繰り広げられる推論は歴史ミステリーです。
人類の発祥を知りたいひとのために!

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【書評】東野圭吾『変身』 [書評・映画評(DVD含)]

東野圭吾によるSFサスペンスです。


変身 (講談社文庫)

変身 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1994/06/06
  • メディア: 文庫



不動産屋で強盗事件に巻き込まれ、犯人が放った銃弾により大脳の一部を失った青年が主人公です。
たまたま適合したドナーが現れたことで脳移植が行われ、主人公は奇跡的に助かります。
しかし、脳の一部に過ぎなかったドナーの意識の影響により、主人公の心が乗っ取られていきます。
SFとして考えると、よくある設定と言えるかもしれません。
しかし、本書は100万部を超えるベストセラーとなり、ドラマ化、漫画化もされました。
SFを広める大きな貢献があった作品と言えるかもしれません。

東野圭吾ファンのために!
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【書評】宮部みゆき『英雄の書』 [書評・映画評(DVD含)]

宮部みゆきの長編ファンタジーです。


英雄の書 上・下巻セット (新潮文庫)

英雄の書 上・下巻セット (新潮文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2012
  • メディア: 文庫



本作は2009年の作品です。
宮部みゆきのファンタジーというとブレイブ・ストーリーが白眉ですが、本作も同様に「行って帰る」という基本様式を踏襲しています。
ストーリーとしては、行方不明になった兄を探している妹に、本たちが囁きかけます。
兄は英雄の書に魅せられてしまい、物語の世界で暴れていることを知ります。
不思議な力を得た妹は兄を救うために異世界へと旅立ちます。

評価が難しいのですが、好きなひとなら、といった感じです。

宮部みゆきファンのために!

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【書評】宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』 [書評・映画評(DVD含)]

宮部みゆきのファンタジー大作です。


宮部みゆき ブレイブ・ストーリー 上下巻セット

宮部みゆき ブレイブ・ストーリー 上下巻セット

  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2003/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



宮部みゆきの作品の長編は、基本的に長いです。
本作も非常に長く、異世界に入るのに400ページ弱を費やしています。
さすがにもう少しなんとかならないかとか思うのですが、異世界に入ってからはサクサク読み進めることができます。
それが文章の妙なのでしょう。
基本的にはドラクエ風で、イベントをクリアーして宝物を手に入れ、主人公は成長し、最後に元の世界に戻ります。
最後のまとめかたはさすがとうならされます。

宮部みゆきの世界を堪能したいひとのために!

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Newton別冊『男性か女性かを決める XY染色体の科学』 [書評・映画評(DVD含)]

求愛行動の写真がたくさんです。


XY染色体の科学―男性か女性かを決める (ニュートンムック Newton別冊)

XY染色体の科学―男性か女性かを決める (ニュートンムック Newton別冊)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ニュートンプレス
  • 発売日: 2013/08/27
  • メディア: ムック



冒頭と末尾に動物たちの求愛行動の写真が掲載されています。
また、目新しい記事としてはヨーロッパカヤグリの繁殖行動があります。
メスは二夫一妻を目指し、雄は一夫二妻を目指します。お互いの損得計算が、繁殖行動を決めています。
中盤の染色体についての話は、2006年の特集で使われている記事をそのまま転記しています。
雑誌ですし、途中から読み始めた読者のために繰り返しも悪くありませんが、せめてデータは最新版に更新して欲しかった気もします。

科学好きなひとのために!

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