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【書評】大倉祟裕『樹海警察』 [書評・映画評(DVD含)]

笑いありのミステリです。


樹海警察 (ハルキ文庫)

樹海警察 (ハルキ文庫)

  • 作者: 大倉崇裕
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2017/10/12
  • メディア: 文庫



樹海を管轄する地域特別課に、何も知らずに新任の警部補が配置されます。
警部補は堅物で、まったく空気が読めません。
この空気の読めない警部補と、まったく自由な部下たちがハチャメチャを繰り広げながら事件を解決していきます。
とにかく、この設定だけで面白いです。
連作短編形式で、ラストがやや甘いかもしれませんが、とても楽しめました。
隠れた名作だと思います。

少し変わった警察物を読みたいひとのために!
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【書評】石田和雄『棋士という生き方』 [書評・映画評(DVD含)]

将棋界の名伯楽、石田和雄が「棋士という生き方」を振りかえります。


棋士という生き方 (イースト新書Q)

棋士という生き方 (イースト新書Q)

  • 作者: 石田和雄
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: 新書



石田和雄はA級4期、新人王戦戦優勝といった戦績はありますが、タイトル挑戦には届かなかった棋士です。
現役時代から柏将棋センターの運営を引き継ぎ、勝又清和を皮切りに佐々木勇気、高見奏地、門倉啓太、渡辺大夢など多くの棋士を育てました。三枚堂達也も師匠は違いますが、実質的には弟子のようなものです。
その石田和雄が、自分の棋士人生、昔の将棋界の裏話、柏将棋センターの話など、多岐にわたって語ります。
いちおう時系列ですが、内容がまとまっているわけではなく、エッセイ集のようなものです。
それだけに本音がでていて、面白いです。

棋士という不思議なひとたちを知りたいひとのために!
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【書評】渡辺房男『われ沽券にかかわらず』 [書評・映画評(DVD含)]

沽券とは、江戸時代に土地売買された証文のことです。


われ沽券にかかわらず

われ沽券にかかわらず

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/03
  • メディア: 単行本



本作のテーマは明治初期の土地取引です。
当時は、生産力を持つ農地こそ価値がある、と思われていて、都市部の土地はそれほど価値を見出されていませんでした。
その証拠に、当初の地租は農地3%だったのに比べて、都市部は1%でした。
大名屋敷を接収した明治政府は、おどろくほどの安値で都市部の土地を売り出していきます。
その時代において、都市部の土地に価値を見出し、ばくちを打った人たちがいました。
そうしたひとたちを主人公にして、物語は進んでいきます。
時代が落ち着いてくると、大資本が進出し、個人プレイヤーは敗北していくのですが、明治時代の土地投機はダイナミックで面白いです。

もうひとつの明治を知りたいひとのために!

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【書評】大山康晴『不動心論』 [書評・映画評(DVD含)]

昭和の大名人、大山康晴が心の持ち方を説きます。


不動心論

不動心論

  • 作者: 大山 康晴
  • 出版社/メーカー: ロングセラーズ
  • 発売日: 2017/05/19
  • メディア: 新書



大山康晴十五世名人は歴代2位のタイトル80期という記録もありますが、何よりすごいのが69歳で死去するまでA級の座を守り通したことです。
おそらく空前絶後でしょう。
その大山康晴が晩年になり、自分の心のありかたを将棋を通して語るのが本書です。
これは自分なりの解釈ですが「考えに考え抜いた末に、無我の境地に達する」が大山康晴の理想だと思います。
大山康晴は63歳で中原名人に挑戦しましたが、そのときの心境が細かく書かれていて興味深いです。

大山康晴の境地に触れたいひとのために!
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【書評】武田知弘『戦前の生活~大日本帝国の”リアルな生活誌”~』 [書評・映画評(DVD含)]

戦前の日本の生活を紹介です。


戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)

戦前の生活―大日本帝国の“リアルな生活誌” (ちくま文庫)

  • 作者: 武田 知弘
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 文庫



戦前は貧しいなりに純朴で・・・・・・みたいなイメージがあります。
ところが戦前の子供は凶悪で、とんでもない事件を多数引き起こしています。
また、貧しいイメージがありますが、確かに豊かさではいまとは比較になりませんが、戦前から自動改札の地下鉄があり、東京ではタクシーが1万台以上走り、スキーなどのレジャーも盛んでした。
そうした知られざる戦前の生活誌がてんこもりです。
ときおり街角で見られる”純喫茶”ですが、命名の由来が傑作です。昭和初期にカフェブームが起きたのですが、大阪北新地のベニアというお店が「女給とキスができる」ことを売りにしたところ、爆発的な人気を呼びました。
それからカフェは完全にキャバクラと化して、困った喫茶店が「純喫茶」という名称を作り出したそうです。
いつの世の中もねえ、といった感じです。

しられざる戦前の生活を知りたいひとのために!

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【書評】山下昌也『貧乏大名”やりくり”物語~たった五千石!名門・喜連川藩の奮闘~』 [書評・映画評(DVD含)]

たった五千石なのに大名とされていた喜連川藩の奮闘です。


貧乏大名“やりくり”物語 たった五千石! 名門・喜連川藩の奮闘 (講談社+α文庫)

貧乏大名“やりくり”物語 たった五千石! 名門・喜連川藩の奮闘 (講談社+α文庫)

  • 作者: 山下 昌也
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/19
  • メディア: 文庫



歴史好きなひとはご存知かと思いますが、大名の基準は1万石以上で、喜連川藩はその基準に達していません。
しかし、足利家に繋がる名門であるという理由で大名としての格式を持ち、しかも”御所様”と呼ばれることを許された家がありました。
とまあ、前半はほぼほぼこの大名の奇妙な来歴に費やされます。
藩運営は後半だけですが、唯一の産業は宿場町があったことだけです。
小さな藩なのでたいしたことはできません。
それでも、精一杯の善政を引いたことだけは分かります。
もうすこし家臣たちの話があっても良かったかなと思いますが、小さな藩なので文献が少ないのでしょう。

奇妙な大名の歴史を知りたいひとのために!
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【書評】渡辺房男『脱税許すまじ』 [書評・映画評(DVD含)]

明治初期の税務署職員の話です。


脱税許すまじ

脱税許すまじ

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 単行本



簡単に税金の歴史を振り返ります。
まずは地租といい、土地の評価額に一定の率をかける税金が始まりました。
次に営業税、所得税が生まれます。営業税は外形標準課税みたいなもので、営業する土地や建物、さらには業種によって営業成績に関わりなく一定の率で税金が課されたため重税感の強い税金でした。
主人公は真面目で優秀な税務職員でしたが、営業税に疑問を持ち、最後は暴行事件を起こしてしまい役所を首になります。
最後は自由民権運動に身を投じて、活動中に横死します。
あまり後味の良い作品ではありませんが、明治初期の税金の流れを知るのに良い小説だと思います。
無から作り上げた先人たちの苦労がしのばれます。

歴史ファンのために!
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【書評】ディートロフ・ライヒエ『フレディ2~世界でいちばんねらわれたハムスター~』 [書評・映画評(DVD含)]

読み書きできるハムスター、フレディが凶悪な研究者に狙われます。


フレディ〈2〉世界でいちばんねらわれたハムスター (旺文社創作児童文学)

フレディ〈2〉世界でいちばんねらわれたハムスター (旺文社創作児童文学)

  • 作者: ディートロフ ライヒェ
  • 出版社/メーカー: 旺文社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本



フレディは自分の書いた物語をインターネットに公開したことで、ハムスターの知能を研究している研究者に目を付けられます。
彼に襲われそうになったところで仲間とともに間一髪逃げ出しますが、仲間を人質に取られてしまい、自ら研究者のゲージに入っていきます。
最大の危機を迎えたフレディに助けはくるのか……という話です。
原書はドイツ語です。翻訳は佐々木田鶴子ですが、彼女の翻訳が素晴らしく、翻訳時にありがちな不自然な記述がまったくありません。
最初から日本語で書かれた作品のように、すらすらと読むことができます。
ストーリーは児童文学の基本を押さえ、仲間との友情や、仲間の奮起や、ユーモアや、冒険やが短い中に詰まっています。
本国で評判になったのもうなづけます。

楽しく本を読みたいひとのために!

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【書評】渡辺房男『東京秘図~西南の役異聞』 [書評・映画評(DVD含)]

これぞ歴史小説の醍醐味です。


東京秘図―西南の役異聞

東京秘図―西南の役異聞

  • 作者: 渡辺 房男
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 単行本



主人公の福田米太郎は実在の人物で、元松江藩士です。
明治維新を機に士籍を捨て、細筆の腕で生計を立てようとしますが四苦八苦します。
そうしたとき、測量図の清書という仕事を頼まれますが、これが西南の役を目前に控えた政府の陰謀と深く関わっていた、という話です。
福田米太郎は手記を残しており、その手記をベースに小説にしたのが本作です。
あくまで小説なので史実とは異なりますし、手記がどこまで事実を伝えたものかも、定かではありません。
しかし、小さな手がかりを元に、市井に埋もれた人物の発掘は、歴史ファンの楽しみでもあります。
渡辺房男らしく、明治時代の技術の描写が満載です。

歴史の楽しみを実感したいひとのために!

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【書評】チャチャヤング・ショートショート・マガジン第6号 [書評・映画評(DVD含)]

ボリューム満点の同人誌です。


チャチャヤング・ショートショート・マガジン6(通巻8号) (チャチャヤング・ショートショートの会)

チャチャヤング・ショートショート・マガジン6(通巻8号) (チャチャヤング・ショートショートの会)

  • 出版社/メーカー: チャチャヤング・ショートショートの会
  • 発売日: 2018/06/15
  • メディア: Kindle版



6人の寄稿者が、計11作品を提供しています。
中でも和田宜久『左甚五郎』『親父のロボット』は絶品で、前者は意外なオチが、後者は意外なオチの上にハートフルなストーリーでほろりとさせられます。
安定して本格SFを寄稿される岡本俊弥『機械の精神分析医』は期待を裏切らない完成度ですし、雫石鉄也『腕買います』も最後まできっちり読ませる作品です。

今回も満点に頼ませていただける作品集です!

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