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【書評】宮部みゆき『スナーク狩り』 [書評・映画評(DVD含)]

吉川英治文学新人賞受賞後の第1作となるサスペンス小説です。


スナーク狩り (光文社文庫)

スナーク狩り (光文社文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1997/06
  • メディア: 文庫



釣具屋勤務の中年男性が、妻子を殺した犯人を試すために、散弾銃を奪って犯人が入院している病院に向かいます。彼の計画を止めるべく、同僚が追いかけ始めます。
というのが、概ねのあらすじです。
最初がややこしいですが、軌道に乗ってからはサクサクと進みます。
タイトルは『鏡の国のアリス』の作者であるルイス・キャロルのナンセンス詩に由来します。
テーマからすると関係性がなくはないのですが、やや遠いかなあと。
このタイトルでは内容が分からないので、ずいぶんと損をしているような気がしました。
もったいない!

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【書評】大平徹『「ゆらき」と「遅れ」』 [書評・映画評(DVD含)]

ゆらぎがもたらす様々な現象をわかりやすく解説です。


「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学―(新潮選書)

「ゆらぎ」と「遅れ」―不確実さの数理学―(新潮選書)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/05/29
  • メディア: Kindle版



本書は6章に分かれていますが、それぞれが半独立しています。タイトルは学術的ですが、読むと驚くほど興味深いテーマが並んでいます。
自分が一番驚いたのは、集団追跡のモデルです。
ふつうに考えれば、最も効率的な追跡をした方が早く逮捕できそうに思えますが、ある程度のノイズ(=非効率な追跡)を混ぜた方が、捕まえるまでの時間が短くなります。
同じことはネットワーク渋滞でも言えて、空きが大きい中継地点を必ず経由するようにデータを流すより、ある程度のランダム性を加味した方が、より多くのデータ量に耐えられます。
詳細は省きますが、2位の選手は2位より1位になる可能性が高いといったトーナメントの問題も興味深いです。

不確実性がもたらす奇妙な世界を知りたいひと向けに!

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【書評】宮部みゆき『かまいたち』 [書評・映画評(DVD含)]

第11回歴史文学賞候補作『騒ぐ刀』収録の短編集です。


かまいたち (新潮文庫)

かまいたち (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1996/09/30
  • メディア: 文庫



宮部みゆき初期の時代短編小説が4編収録されています。
歴史文学賞候補作も収録されていますが、自分が一番良いと思ったのは表題作の『かまいたち』です。
解説によると、時代小説を読みなれているひとならすぐにだれが真犯人が気がつくようですが、自分はすっかりだまされました。
伏線を伏線らしくなく貼るというか、ある設定に複数の意味を持たすことで、上手く読者を誘導しています。
言うは易し行うは難し、の典型的な技術だと思います。
後半2つは不思議な力がテーマになっているので、趣味が分かるれるかもしれません。

時代小説好きに!

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【書評】宮部みゆき『レベル7』 [書評・映画評(DVD含)]

500Pを越える長編ミステリです。


レベル7(セブン) (新潮文庫)

レベル7(セブン) (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/09/29
  • メディア: 文庫



記憶喪失の男女があるマンションの一室で目覚めます。自分が何者なのか、なぜ自分がここにいるのかまったく分かりません。
雲を手で掴むような状況からスタートして、自分を知り、そしてある人物が全てを牛耳る町で行われた殺人事件へと物語が繋がっていきます。
本書は大きく2つに分かれます。
前半は主人公たちが自分たちの名前を知るための物語。
後半は巨大な敵に立ち向かう冒険活劇です。
最後は宮部みゆきらしいどんでん返しの連続ですが、いろいろと苦しい部分が散見されます。薄氷をわたっていくようなきわどさです。
それでも、こうして満足感を持たせてしまうところに、宮部みゆきの力を感じます。
ハートウォームなラストも好印象です。
宮部みゆきファンのひとたちに!
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【書評】宮部みゆき『淋しい狩人』 [書評・映画評(DVD含)]

第45回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)候補の『六月は名ばかりの月』が収録されています。


淋しい狩人 (新潮文庫)

淋しい狩人 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/01/29
  • メディア: 文庫



本作は連作短編集で、古本屋のイワさんと、そのイワさんのたったひとりの不出来な孫の二人が様々な事件を解決していきます。
とにかくキャラ設定が絶妙で、その上に著者の語り口が上手いので、どんどん吸い込まれるように読んでしまいます。
特に自分が推したいのは、日本推理作家協会賞候補作ではなく、『うそつき喇叭』です。
ここには宮部みゆきが創作した(と思われる)児童文学が登場し、そこから物語が展開していきますが、いやこの児童文学が印象的で、ガツンと響きました。
救いの少ない結末も、妙に印象に残ります。
全ての作品が粒ぞろいで、レベルが高いです。

傑作連作短編集と言っていいとおもいます。
特にオススメです!
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【書評】宮部みゆき『返事はいらない』 [書評・映画評(DVD含)]

第105回直木賞候補作です。


返事はいらない (新潮文庫)

返事はいらない (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/11/30
  • メディア: 文庫



本書は宮部みゆきの短編集で、表題作を初めとして6編収録されています。スッキリ解決する作品もあれば、もやもやっとした終幕、さらには強引と思えるような作品もあります。
表題作ですが、銀行の旧暗証番号認証システムを取り扱っています。
確かに過去にはそのような単純なシステムもありましたが……それが一部の銀行で生き残っていたという設定は、書かれた時期を考えてもちょっと微妙かも。
自分としてはすっきりとした終わり方が好きなので『裏切らないで』を推したい気分です。

様々なミステリ短編を読みたい人向けに。
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【書評】宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』 [書評・映画評(DVD含)]

第13回吉川英治文学新人賞受賞作です。


本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1995/08/30
  • メディア: 文庫



本作は江戸を舞台にした7つの短編が収められています。
それぞれ主人公は異なりますが、刑事役として岡っ引きの茂吉が登場し、奇妙な事件を解決していきます。ただ、ミステリとはちょっと違います。
7編のうちの白眉といえば冒頭に収録されている「片葉の芦」です。ラストはちょっと切ないですが、人間を感じさせる一品だと思います。
もうひとつ印象に残っているのが、最後に収録されている『消えずの行灯』です。
設定は非日常的ですが、そこから日常に潜む恐怖を、残酷なまでにえぐり出しています。
ホラーだと感じました。
吉川英治文学賞受賞作だけあって、レベルの揃った作品が集まっていると思います。
時代短編小説好きのひとに!

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【書評】森絵都『ショートトリップ』 [書評・映画評(DVD含)]

40編もの掌編が収録されています。


ショート・トリップ (集英社文庫)

ショート・トリップ (集英社文庫)

  • 作者: 森 絵都
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫



本作は毎日中学生新聞の毎週連載していた掌編のうち、48編を集めたものです。
ショートショートではなく、あくまで掌編です。
バラエティに富んでいるため総括的な感想は難しいのですが、全編を通じて独特なシュールな世界観で貫かれており、なんとなく森ワールドといった感じです。
「ならず者18号」「ならず者55号」は傑作だと思います。
掌編をたっぷり読みたいひと向けに!

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【書評】郷田直輝『ダークマターとは何か~天の川銀河探査で挑む宇宙論最大の謎~』 [書評・映画評(DVD含)]

宇宙に大きな影響を及ぼしている謎の物質、ダークマターについてです。





天空一面に恒星が輝く写真を誰もが見たことがあると思います。
実は星たちが宇宙全体に占める質量はわずか4%で、その他96%の質量は未発見のダークマターとダークエネルギーに由来するものです。
なんだか悪魔空間のような話ですが、理論と観測結果の整合からして、おおむね間違いないようです。
本書は、その謎のダークマターについて詳しく解説した新書になります。
特に面白いのが、なぜダークマターやダークエネルギーが存在すると推測されるようになったかについてです。
様々な観測事実と理論をつなぎ合わせていく様子は、まるで良質のミステリを読んでいるような気になりました。

宇宙について詳しく知りたいひと向けに!

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【書評】渡邊一郎『伊能測量隊まかり通る~幕府天文方御用~』 [書評・映画評(DVD含)]

10次に渡る伊能忠敬測量隊の克明な記録です。


伊能測量隊まかり通る―幕府天文方御用

伊能測量隊まかり通る―幕府天文方御用

  • 作者: 渡辺 一郎
  • 出版社/メーカー: NTT出版
  • 発売日: 1997/10
  • メディア: 単行本



伊能忠敬の日本地図は、どの教科書にも載っているほど有名です。
その伊能忠敬が、どのようなルートを歩み、どのように測量を進めたのか一気にまとめたのがこの本です。
最初はほぼ個人事業だったのだ、回を重ねるごとに幕府の対応がよくなり、途中からは幕府お抱えの測量隊として各藩が接遇にあたふたするようになります。
その接待の様子や内容も細かく書かれており、資料的価値の高い本だと思います。

これだけの内容をまとめた著者に脱帽です。
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