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【書評】城山三郎『忘れ得ぬ翼』 [書評・映画評(DVD含)]

城山三郎の戦争文学短編集です。


忘れ得ぬ翼 (文春文庫)

忘れ得ぬ翼 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1977/07/25
  • メディア: Kindle版



収録されているのは8編です。
それぞれ別の飛行機が登場し、その飛行機の特徴にそったストーリーが展開していきます。
時期としてはいずれも戦争末期で、生と死の狭間をさまよいながら主人公は偶然にも助かり、戦争を引きずりながらもそれぞれの戦後を生きていきます。
全編に共通しているのが、戦死者への哀悼です。
短編がかかれた昭和44年という時期もあったのかもしれません。終戦時二十代半ばだった青年が、五十前後の分別盛りになっている頃です。
いわば、戦争体験を青春の一こまとして振り返る。そのような空気を感じました。
城山三郎というと長編のイメージが強いですが、短編の冴えを堪能できる一冊だと思います。
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【書評】山形石雄『六花の勇者6』 [書評・映画評(DVD含)]

テグネウ編の終幕です。


六花の勇者 6 (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

六花の勇者 6 (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: Kindle版



毎回、謎解き要素満載で楽しませてくれる六花の勇者ですが、シリーズ6巻目はテグネウ編の最後ということもあってか、早い段階で敵の作戦は全て明らかにされ、どちらかというと戦闘シーン中心で進みます。
ややとって付けた感の場面もあり、苦しみながらもラストシーンまで書き切ったという感じでしょうか。
次に立ちはだかるのは、さらなる強敵になる見込みですが、キャラ設定からいうと策略を立てる感じではありません。
この敵役を相手に、どのように盛り上げていくのか作者の力量に期待したいです。
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【書評】城山三郎『一歩の距離』 [書評・映画評(DVD含)]

作者の戦争体験が色濃く感じられる小説です。


一歩の距離 小説 予科練 (角川文庫)

一歩の距離 小説 予科練 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/08/25
  • メディア: Kindle版



本作には2つの作品が納められていますが、いずれも終戦末期に特攻兵器の搭乗員として配置され、揺れ動く心情を戦争体験者らしいリアル感を持って描いています。
「一歩の距離」では神風特攻隊を取り上げ、特攻に志願した隊員と一歩踏み出せなかった隊員との対比をメインに据えつつ、戦争の行く末より内部が気になってしかたがない閉鎖された空間の恐怖もどこかしら伝わってきます。
もう一編の「マンゴーの林の中で」は台湾が舞台ということもあり、どこか享楽的な雰囲気が漂います。
ここでの特攻兵器は安ボートです。作戦を立てたり、訓練をしたりする意味すらないただ爆弾を抱えて突っ込むだけの兵器です。
そうした状況に追い込まれた予科練出身の艇隊長が、隊員たちをいつくしみながら、残り少ない人生をできるだけ有意義に過ごそうとします。
当時の隊員の心情を細かく描きつつ、あまり知られていない〇四艇を取り上げた佳作だと思います。

経済小説家としてしられる城山三郎ですが、戦争小説家というもうひとつの面を見せる作品だと思います。
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【書評】アイザックアシモフ『化学編第2・炭素の世界』 [書評・映画評(DVD含)]

アイザックアシモフ大先生が、有機化学をおもしろく解説します。


アシモフ選集〈化学編 第2〉炭素の世界 (1970年)

アシモフ選集〈化学編 第2〉炭素の世界 (1970年)

  • 作者: アイザック・アシモフ
  • 出版社/メーカー: 共立出版
  • 発売日: 1970/06
  • メディア: 単行本



AアシモフというとSF作家のイメージがありますが、むしろ本職は科学解説だといえるぐらい著作が豊富です。
その博識は恐ろしいほどで、とくに言葉関係が好きなので、炭素の世界でも頻繁に語源の話に飛びます。
筆の行き先は、まさに縦横無尽です。その饒舌ぶりは、炭素を含む分子が有機物と命名された由来にまで及びます。
有機化学の世界は広く、もちろん一冊で扱える範囲には限りがあります。
それでも有機化学の基本構造を押さえ、さらに細かな分子の違いがどう性質に影響を及ぼすのかまで解説してしまうのはアシモフならではの腕力だと思います。
炭素というより有機化学を知りたいひと向けの本だと思います。

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【書評】エドワード・ルトワック『エドワード・ルトワックの戦略論~戦争と平和の論理~』 [書評・映画評(DVD含)]

著名な戦略家であるルトワック氏の代表的著作です。


エドワード・ルトワックの戦略論

エドワード・ルトワックの戦略論

  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2014/07/18
  • メディア: Kindle版



ルトワック氏の魅力は自由奔放な発想力です。
著者は過去における世界中の戦争、紛争の分析から導かれた常識にとらわれないその主張は、多くの読者を驚かせると思います。
本書に流れる一貫したテーマは「逆説的論理」です。
平和を欲するほど戦争に備えなければならない。紛争を早く終わらせるためには平和維持活動によって内戦の配車を無駄に存命させないほうがよい。自国の安全を守るには敵を徹底的にたたいてはいけない、バランスオブパワーに悪影響が及ぶ。
などなど、日本ではとてもお目にかかれない内容のオンパレードです。
狭い技術ほど対策も容易であると、技術過信にも警鐘を鳴らしています。

世界的名著と評されるのも納得です。
本書にはじっくりと学ぶべき内容が詰まっていると思います。
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【書評】伊藤貫『自滅するアメリカ帝国』 [書評・映画評(DVD含)]

リアリズムで現在国際関係を読み解きます。


自滅するアメリカ帝国―日本よ、独立せよ (文春新書)

自滅するアメリカ帝国―日本よ、独立せよ (文春新書)

  • 作者: 伊藤 貫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/03/16
  • メディア: 新書



日本人は戦術が得意でも戦略が苦手といいます。外交でも同じで、戦略にあたる基本方針が大事です。
著者によると、米国の基本方針は「米国を中心とする一極世界を目指す」というものだったそうです。
多くの保守派論壇が批判したように、見事に失敗し、国費の浪費と世界の混沌とを招きました。
著者はリアリズムに基づき、日本も最小限の核武装が必要だとかねてより主張しています。
その主張は本書でも同じです。
核武装に様々な意見はあるとおもいますが、傾聴に値する論だと思います。
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【書評】田口一雄『石油はどうしてできたか』 [書評・映画評(DVD含)]

石油の起源に迫ります。


石油はどうしてできたか (地球の歴史をさぐる)

石油はどうしてできたか (地球の歴史をさぐる)

  • 作者: 田口 一雄
  • 出版社/メーカー: 青木書店
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 単行本



専門書ではありませんが、内容はかなりマニアックです。
石油の起源について諸説がでていますが、その経緯と、それぞれの論が反論されては新たなる証拠で復活という流れを逐一追っていきます。
この本を読むまで、石油無機的起源説のことをトンデモ論の一種だと思っていましたが、こうして説明されると、無機的起源を主張したくなる理由も分かります。
冒頭に石油の入っている砂岩貯留岩の写真があり、なかなか貴重だなあと思いました。
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【書評】藤田和男監修『トコトンやさしい石油の本』 [書評・映画評(DVD含)]

石油の発見から流通までコンパクトにまとまっています。


トコトンやさしい石油の本(第2版) (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい石油の本(第2版) (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: トコトン石油プロジェクトチーム
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2014/02/21
  • メディア: 単行本



石油というのは、多種多様な炭素化合物の混合物です。
原油を精製し、ときには改質を行い、ガソリンを初めとする多種類の商品となって流通していきます。
原油というと地下の穴に蓄えられているイメージがありますが、実際には地層の中にスポンジのように含まれており、単純に吸い出せば良いというものではありません。
地中圧力で1/3は自噴しましが、残り2/3を取り出すには何らかの圧力を加えたりしますが、それでも1/2程度のようです。
そのように、知っていそうで、実は知らないことがたくさん書いてあります。

とても分かりやすくて、入門書としてぴったりだと思います。
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【書評】山形石雄『六花の勇者5』 [書評・映画評(DVD含)]

人気ライトノベルの第5巻です。


六花の勇者 5 (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

六花の勇者 5 (ダッシュエックス文庫DIGITAL)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: Kindle版



6人の勇者と魔神の復活をもくろむ凶魔たちの戦い……と説明すると平凡そうですが、これがとんでもなく面白い。
6人のはずが7人現れます。7人のうちだれかが凶魔が送り込んだ偽物なのですが、お互いに疑心暗鬼を生じながら戦いが進んできます。
そして謎に次ぐ謎、トリックに次ぐトリック、推理また推理と読者を休ませません。
エンタメの技法として、主人公を次から次へとピンチに追い込むというのがあります。
六花の勇者の主人公もピンチの連続に陥るのですが、そこにミステリ要素が濃厚に押し込まれています。
いよいよクライマックスに近づいたのか、7人目の正体が明らかになります。

今後の展開が楽しみなライトノベルだと思います。
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【書評】園池公毅『トコトンやさしい光合成の本』 [書評・映画評(DVD含)]

光合成の仕組みから未来まで幅広く説明してくれる本です。


トコトンやさしい光合成の本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしい光合成の本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 園池 公毅
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2012/12/21
  • メディア: 単行本



本書がカバーしている範囲は、光合成の生物から始まり、発見の歴史、仕組み、農業、未来等と多岐に渡っています。
文章は短めで、イラストを多数用いており、素人にも親しみやすい内容になっています。
さすがに仕組みは難しいですが、その難しさを、難しいと感じさせずにさらりと読ませる技術はなかなかのものだと思います。
ポイントは還元反応と酸化反応ですね。
著者は光合成の研究を続けて30年にもなるスペシャリストで、しかも講演を多数こなしているベテランです。
分かりやすくてためになる好著だと思います。
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