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【書評】宮部みゆき『チヨ子』 [書評・映画評(DVD含)]

宮部みゆきの短編集です。


チヨ子 (光文社文庫)

チヨ子 (光文社文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/07/12
  • メディア: 文庫



多彩なジャンルをかき分ける宮部みゆきですが、本作はホラー+ファンタジー+SFです。
5編が収録されていますが、個人的には『いしまくら』が白眉だと思います。
夫婦愛を描いていて、そこに「いしまくら」という因果応報の怖い民話(創作か実際にあるのかは分かりません)が組み合わさります。
若夫婦がラブホテルに自転車で向かうシーンが爽やかです。
短編集として全体的な統一感はありませんが、それだけに多彩な作品が楽しめます。

宮部みゆきファンのために!
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【書評】スティーヴンLマクニック外『脳はすすんでだまされたがる』 [書評・映画評(DVD含)]

手品を通して認知科学理論を学びます。


脳はすすんでだまされたがる  マジックが解き明かす錯覚の不思議

脳はすすんでだまされたがる マジックが解き明かす錯覚の不思議

  • 作者: スティーヴン・L・マクニック
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/03/28
  • メディア: 単行本



手品には様々な技術があります。有名なのがミスディレクションですが、観衆はなぜだまされてしまうのか。
気鋭の神経科学者が、実際に手品師に弟子入りして技術を学ぶことで、脳神経への理解を深めていきます。
これが本当におもしろい。
人間は全てを見ているようで、実はあまり見てなくて、ホアン・タマリッツのクロッシング・ザ・ゲイズでは、目の前に手品の種があるのに、視線と指先の動きだけで、その種を見えなくさせてしまう。
そうした不思議な技術がてんこ盛りです。

人間をより深く知りたいひとのために!

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【書評】三島由紀夫『午後の曳航』 [書評・映画評(DVD含)]

三島由紀夫作品の中でも、国内外で高い評価を受けた小説のひとつです。


午後の曳航 (1976年)

午後の曳航 (1976年)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976
  • メディア: -



主人公は少年法に守られている年齢の少年です。
少年は純粋になるために、他人のふとした行動が許せなくなり、残忍な行為に及びます。
一読して、「透明な作品」という印象を持ちました。
少年たちの思考は哲学的ではあるものの極めて偏狭で、一徹で、かつ芸術的です。
これは自分の解釈ですが、少年たちは大人を汚れたものと認識し、その汚れたものに自分たちも近づいていくことに心の奥底で恐怖感を抱いていたのではないかと思います。
そうした恐怖感の噴出が高尚らしく見える哲学であり、汚れたものへの殺戮です。
純文学的な要素が詰まった作品だと思います。

中編に近い長さなので、三島文学のとっかかりに!
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【書評】一川誠『錯覚学―知覚の謎を解くー』 [書評・映画評(DVD含)]

おもしろい錯覚を多数紹介してくれます。


錯覚学─知覚の謎を解く (集英社新書)

錯覚学─知覚の謎を解く (集英社新書)

  • 作者: 一川 誠
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/10/17
  • メディア: 新書



まずミュラーリラー錯視、ポンゾ錯視といった有名な錯視から入りますが、そこから近年発見された道路角度の錯視を通じて人間が見間違える原因のひとつを解き明かします。
なるほど、と納得です。
あと身近なところではフラッシュラグ効果というのがあります。
動きがある場合、実際より先に進んでいると見えてしまう錯視で、予想外の動きをされたときにこの錯視は大きくなります。
審判の経験からも納得です。
最後に通常の3色覚者を越える4色覚者がいることにびっくりです。

視界の不思議な世界を知りたいひとのために!

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【書評】三島由紀夫『金閣寺』 [書評・映画評(DVD含)]

三島由紀夫の代表作というだけでなく、近代日本文学を代表する傑作のひとつと見なされています。


金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/05
  • メディア: 文庫



モチーフは昭和30年に発生した金閣寺放火事件です。
重度の吃音症である学僧が、永遠と思われている金閣寺の美を崩すことで、世界は行為によって変えられることを示そうとします。
三島由紀夫の美に対する感覚と、世界を変えるのは行為であるという哲学と、ただ存在するものへの反発など、様々な要素が精緻な文体ともに濃縮されています。また、取材も行き届いており、まるで三島由紀夫が僧侶経験者かと勘違いするほどの精密さです。
自分はあまり文章を読み返すことはしないのですが、本作にはただ文章を読みたいがために、何度も読み返すフレーズが何カ所もありました。
文学に敷居を感じるひとも、これはうならざるを得ない傑作だと思います。

三島由紀夫のすごさを知りたいひとのために!
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【書評】宮部みゆき『小暮写真館』 [書評・映画評(DVD含)]

古い写真館にひっこしてきた家族の話です。


小暮写眞館 上下巻セット (講談社文庫)

小暮写眞館 上下巻セット (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2013/10/16
  • メディア: 文庫



テーマとしては家族です。
幽霊やら念写やら恋愛やらいろいろでてきますが、結局のところ、家族関係を訴えたかったのかなあというのが読後感です。
宮部みゆきの長編の特徴に、「長い」というのがありますが、この小説は上下2巻で文庫版で計約950Pとストーリー展開からするとさすがに長すぎる感があります。
好きなひとは好きでたまらないんでしょうけど。

宮部みゆきファンのために!
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【書評】宮部みゆき『R.P.G』 [書評・映画評(DVD含)]

宮部みゆき初の文庫書き下ろし作品です。


R.P.G. (集英社文庫)

R.P.G. (集英社文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫



家族から阻害された父親が殺害されます。
事件を調べていくうちに、父親がインターネット上の疑似家族と交流していることが判明し、それが事件の鍵を握ると踏んだ警察幹部の意向により、家族が取調室に集められる。
その疑似家族をマジックミラー越しに観察するために実娘が呼ばれ、見覚えがあるか否か意見を求められるが……。
といったストーリーです。
ミステリの創作の難所は「殺害動機」だと言われます。
本作でもかなり苦しんだ形跡があり、自分にはピンとこない部分もあります。
作品の主題は別のところにあるのですが、少し気になりました。

宮部みゆきファンのために!


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【書評】高野和明『幽霊人命救助隊』 [書評・映画評(DVD含)]

成仏できぬ幽霊となった4人が自殺志願者を救うために地上に降り立ちます。


幽霊人命救助隊 (文春文庫)

幽霊人命救助隊 (文春文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫



主人公は東大受験失敗を苦にして自殺した予備校生です。
わけもわからず絶壁を登っていくと、その上に3人の男女が待っており、神様によって4人まとめて地上に落とされます。
神様からの指令は「成仏したければ49日間で100人の命を助けろ」
そこからは完全にキャラ物のストーリー展開で、ジェネレーションギャップやら、幽霊なのに電車で移動するコミカルさや、いい加減なメンバーによるコメディが続きます。
自殺志願者を説得している間に、メンバーたちの背景が語られ、自省していきます。
高野和明というときっちりとした構成を作りこむイメージがありますが、本作は短編連作のような趣です。

気軽なキャラ物を読みたいひとのために!

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【書評】小倉清一郎『小倉ノート』 [書評・映画評(DVD含)]

アマ球界のノムさんと呼ばれた元横浜高校野球部長の本です。


小倉ノート 甲子園の名参謀が明かす「トップチーム」の創り方

小倉ノート 甲子園の名参謀が明かす「トップチーム」の創り方

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: Kindle版



横浜高校には松坂大輔を初めとして、多数のプロ野球選手を輩出しています。
小倉清一郎は監督ではありませんが、選手の指導から対戦相手のデータ分析まだ幅広く横浜高校野球部を支えてきました。
本書には思い出話もありますが、主は相手チームの分析方法であり、どこを観察するのかを、かなり細かく書いています。
分析ノートも何枚か公開されています。
ひとつ上のレベルを目指すひとたちにオススメの本かもしれません。

野球好きのひとたちのために!
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【書評】ジョン・グリシャム『謀略法廷』 [書評・映画評(DVD含)]

日本とは一風違う文化が垣間見れます。


謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: ジョン グリシャム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫




謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)

謀略法廷〈下〉 (新潮文庫)

  • 作者: ジョン グリシャム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/06/27
  • メディア: 文庫



ジョン・グリシャムは『評決のとき』でデビューし、作品の多くが法廷を舞台にしています。
謀略法廷も法廷を舞台にしていますが、むしろ裁判官を選ぶ裁判がメインです。
大企業が土壌汚染を侵し、4100万ドルの倍賞判決がでるところから物語は始まります。
そこで大企業が取った作戦というのが、意のままになる人物を裁判官として送り込むことです。
誹謗中朝の雨あられがふる選挙戦が始まり、中道の裁判官が極左の扱いをされて追い落とされます。
もちろん裁判も逆転し、大企業の株価は戻ります。
この株価が上下する過程で、大企業のオーナーはさらなる大もうけをして高笑いです。
選挙戦がリアルで、資金が結果を左右するのもうなずけます。

リアルな黒い話を読みたいひとのために!

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