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【書評】小山長雄『アユの生態』 [書評・映画評(DVD含)]

昆虫学者がひょんなことからアユの研究を始めます。


アユの生態 (中公新書 505)

アユの生態 (中公新書 505)

  • 作者: 小山 長雄
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1978/05
  • メディア: 新書



内容は稚アユの生態についてです。
研究のきっかけは長良川河口堰です。
アユの遡上に影響がでてくるので、できるだけ影響を減らすために基礎研究を続けます。
アユが好む色とか、明暗に対する反応とか、泳力とか、同調反応とか、様々なことが分かってきました。
そうして培われた知見が、魚道設置に生かされていきます。

アユの振る舞いをしりたいひと向けに。

【書評】佐藤康光『長考力』 [書評・映画評(DVD含)]

将棋棋士佐藤康光のエッセイ集です。


長考力 1000手先を読む技術 (幻冬舎新書)

長考力 1000手先を読む技術 (幻冬舎新書)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2015/11/30
  • メディア: Kindle版



テーマはかなり拡散しています。
基本的には将棋のことなのですが、小さなテーマの積み重ねのようなもので、本として全体の方向性はありまりないように思います。
最近の佐藤康光は、自分が好きな将棋を指すように心がけているようです。
記譜を思い浮かべると、なんとなく納得できます。

佐藤康光ファンむけに!

【書評】北村敬『天然痘が消えた』 [書評・映画評(DVD含)]

天然痘というより、インド旅行記のような本です。


天然痘が消えた (1982年) (中公新書)

天然痘が消えた (1982年) (中公新書)

  • 作者: 北村 敬
  • 出版社/メーカー: 中央公論社
  • 発売日: 1982/08
  • メディア: 新書



著者は天然痘の研究者です。
撲滅に向かいつつある時期にインドに渡り、天然痘克服の手助けをしながら研究を続けます。
が、内容はほぼインド旅行記です。
著者がインドに渡ったのが1970年代なのですが、まあ、当時のインド人の様子というか、笑い話にしか思えない出来事がてんこ盛りです。
ある意味で、珍書です。

当時のインド人を知りたいひと向けに!

【書評】宮部みゆき『今夜は眠れない』 [書評・映画評(DVD含)]

親友「島崎君」シリーズの第1作です。


今夜は眠れない (角川文庫)

今夜は眠れない (角川文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 文庫



本書は1992年ですから、デビューして間もないころの作品です。
おそらく中高生向けに書いたのでしょう。非常に柔らかい文体で、ユーモア満載で、宮部みゆきの長所である軽快な話術もひときわ光っています。
ジュナイブルなのに、ミステリ要素はしっかりと押さえています。
カタルシスを感じられるように、小さな仕掛けも用意されています。少年少女向けエンターテイメント小説の教科書の題材として使われてもおかしくない作品だと思います。
文章が気持ちよいので、さらっと読めます。また、犯罪なのに、爽やかな読後感を与えてくれるラストも見事です。

少年少女向けエンターテイメントを目指す人は必読です!

【書評】宮部みゆき『パーフェクト・ブルー』 [書評・映画評(DVD含)]

本作が宮部みゆきの長編デビュー作となるそうです。


パーフェクト・ブルー (鮎川哲也と十三の謎)

パーフェクト・ブルー (鮎川哲也と十三の謎)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1989/02
  • メディア: 単行本



ストーリーはというと、高校野球のスーパースターが殺害され、彼を脅していたと思われる同級生が自殺します。
その事件の真相を、探偵事務所の愛犬マサの目線で描きます。
犬の視点という部分に工夫を感じますが、やや失敗で、あまり効果的ではありません。主人公?の元警察犬マサが活躍する場面もほとんどありません。
ほぼ通常のミステリと同じようにストーリーが進んでいきます。
手探りで物語を紡いでいるというか、若さ溢れるタッチが目新しいです。

宮部みゆきの原点を知りたいひと向けに。

【書評】前島康男『希望としての不登校・登校拒否』 [書評・映画評(DVD含)]

不登校・登校拒否体験者からのレポートです。


希望としての不登校・登校拒否―本人・親の体験、教師の教育実践に学ぶ

希望としての不登校・登校拒否―本人・親の体験、教師の教育実践に学ぶ

  • 作者: 前島 康男
  • 出版社/メーカー: 創風社
  • 発売日: 2004/06
  • メディア: 単行本



体験者と言っても、本人、親、教師と様々な立場があります。
やはり中心となるのは親ですが、本人や教師の体験談もあり、とても参考になります。
だれでも不登校になるきっかけはあり、そのときに親や教師はどう対応すべきか。
とにかく時間がかかるものなので、語弊はあるかもしれませんが、いかに不登校・登校拒否を楽しむのか。
そうした経験がずっしりと詰まっています。

子供が不登校になると、この世の終わりのような気持ちになります。
そうした悩んでいる親達の助けになる本だと思います。

【書評】宮部みゆき『東京殺人暮色』 [書評・映画評(DVD含)]

その後、『東京下町殺人暮色』と改題され、さらに『刑事の子』と二度目の改題をされた作品です。


東京下町殺人暮色 (光文社文庫)

東京下町殺人暮色 (光文社文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 1994/10
  • メディア: 文庫



本書は日本推理サスペンス大賞受賞後の第1作です。1990年ですから、宮部みゆき初期の作品と言えます。
ストーリーはバラバラとなった遺体が東京のあちこちで発見されたところから始まります。そこに犯人からの犯行声明があり……と後年の模倣犯を彷彿とさせますが、もちろんストーリーは完全に別物です。
手慣れたミステリ作家のようにストーリーが進んでいきますが、最後にどんでん返しが待っています。
宮部みゆきの特徴のひとつに、軽妙な会話が上げられます。
本作でもその特徴は現れていて、刑事との会話でも、現実的にはこのような会話はないと思ってはいても、その軽妙さに読み言ってしまいます。
おそらくは作者も意識していて、読みやすさを優先したのだと思います。

作中の会話技術を勉強したいひとに!

【書評】宮部みゆき『とり残されて』 [書評・映画評(DVD含)]

幽霊等がでてくる短編集です。


とり残されて

とり残されて

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1992/09
  • メディア: 単行本



宮部みゆきは、サスペンス、ミステリ、時代小説、ファンタジー、SFと幅広い作風を持っていますが、これはオカルト系といったらいいのでしょうか。
幽霊等がたんまりでてくる宮部みゆきらしくない短編集です。
7編収録されていますが、個人的に印象に残ったのが『おたすけぶち』と『いつも二人で』です。
両方とも、少し離れてみれば、設定が苦しいです。かなり無理をしています。それでもオチでストンと落としてしまう筆力がものすごいです。
なぜこうも納得させられてしまうのだろうとずーっと考えているのですが、ひとつの技術ではなく、ストーリー運びの上手さなのでしょう。

短編小説の勉強をしたいひとむけに!


【書評】宮部みゆき『模倣犯』 [書評・映画評(DVD含)]

2002年に映画化され、観客動員100万人を越すヒットとなった宮部みゆきの代表作のひとつです。


模倣犯1 (新潮文庫)

模倣犯1 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫




模倣犯2 (新潮文庫)

模倣犯2 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫




模倣犯3 (新潮文庫)

模倣犯3 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11/26
  • メディア: 文庫




模倣犯〈4〉 (新潮文庫)

模倣犯〈4〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: 文庫




模倣犯〈5〉 (新潮文庫)

模倣犯〈5〉 (新潮文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: 文庫



本作は文庫5冊という大作です。第55回毎日出版文化賞特別賞、2002年芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞と、賞も複数獲得しています。それだけの価値がある作品だと思います。
ジャンルとしてはサスペンスに該当するかもしれませんが、加害者、被害者、さらには周辺の人間模様を丹念に描き、それぞれの人生をあぶり出していく手法は純文学に通じるものがあると感じました。
登場人物は多いですが、それぞれのキャラの人生が深く掘り下げられており、煩わしさは覚えません。各キャラクターのバックグラウンドが豊富で、キャラの舞台裏がたたみかけるように読者にどしどし開示されていきます。
普通なら途中で飽きるのですが、バックグラウンドが独創性豊かな上に、文章が平易で読みやすく、ときおりピリリと効いた比喩や会話が挟まれるので、分量を意識することなく読み進めてしまいます。
冒頭だけもっさり(宮部みゆきの唯一の弱点だと思います)していますが、そこを越えたら飛ぶようにページが進みます。
本好きなら、ぜひとも読むべき作品のひとつだと思います。
特におすすめです!

【書評】武者利光『ゆらぎの発想』 [書評・映画評(DVD含)]

一世を風靡した1/fゆらぎに迫ります。


ゆらぎの発想―1/fゆらぎの謎にせまる (NHKライブラリー)

ゆらぎの発想―1/fゆらぎの謎にせまる (NHKライブラリー)

  • 作者: 武者 利光
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1998/03
  • メディア: 単行本



1/fゆらぎとは、自然界に存在する様々なゆらぎを周波数毎に分解し、周波数毎に成分を分析してパワースペクトル分布を作成し、周波数とパワースペクトル密度が一定の関数を取るときに人間が感じる心地よさだそうです。
と書いてもよくわからないと思います。詳細に説明するには大学レベルの数学が必要になるので、ざっくり書くと、ある程度のノイズがあるほうが人間は気持ちよいということのようです。
本書にはそのような1/fゆらぎが自然界にあふれていることを多数の実例と研究を挙げて説明しています。
なぜ1/fゆらぎがあると人間が心地よく感じるのかまで踏み込んで欲しかったですが、これからの研究課題なのかもしれません。
本書は1998年発行なので、現在はもっと進んでいるかも。

1/fゆらぎを知りたいひとに!


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