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【書評】野村克也『高校野球論』 [書評・映画評(DVD含)]

野村監督の思い出話もたくさんあります。


高校野球論  弱者のための勝負哲学 (角川新書)

高校野球論 弱者のための勝負哲学 (角川新書)

  • 作者: 野村 克也
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2015/07/09
  • メディア: 新書



野村監督は元高校球児です。
といえは実家は貧しく、学校も弱く、甲子園には縁がありませんでした。
しかし、その時代があったからこそ、いまの自分があると説いています。
野村監督が選ぶ名勝負や、怪物伝説は実に面白いです。
特に尾崎行雄はリアルタイムで見てみたかったなあと思います。

高校野球が好きなひとに!
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【書評】玉手英夫『クマに会ったらどうするか-陸上動物学入門-』 [書評・映画評(DVD含)]

本書によると、一般的に言われている「静かに後ずさり」が正解ではないようです。


クマに会ったらどうするか―陸上動物学入門 (岩波新書)

クマに会ったらどうするか―陸上動物学入門 (岩波新書)

  • 作者: 玉手 英夫
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1987/06/22
  • メディア: 新書



著者は1922年の生まれで、1987年(65歳時)の本ですが、ユーモアたっぷりで実に面白い。
なぜ草食動物が大型化するかとか、小型草食動物は絶えず食べていないと飢えるのとか、集団の安定化には順位付けが必要であり、これは人間社会と同じだとか、そういった目から鱗の話が次々と出てきます。
ちなみに冒頭の問いの解答ですが、「クマに話しかける」だそうです。某老レンジャーの体験では失敗がない(失敗したら死んでいる)とのこと。
冗談だけでなく、もちろん理由の解説もあります。
こうしたジョークと解説のバランスが秀抜です。

古い本ですが、図書館等で見つけたらぜひとも読んでください。
参考になること請け負いです!

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【書評】上野英信『追われゆく坑夫たち』 [書評・映画評(DVD含)]

昭和三十年代の炭鉱不況における悲惨な実態の記録です。


追われゆく坑夫たち (岩波新書 青版 391)

追われゆく坑夫たち (岩波新書 青版 391)

  • 作者: 上野 英信
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1960/08/20
  • メディア: 新書



ここまで暗い話はほとんどありません。
戦後の炭鉱不況の中、閉山が相次ぎ、食い詰めた坑夫たちを中小の鉱山主が拾い集め、無給同然で使役する。
給料も遅配の連続で、掘っ建て小屋と呼ぶもの恥ずかしい社宅に押し込まれ、飢え死にを1日延ばすために地下に潜り続ける。
著者は表現が豊富で、よくもここまで悲惨な文章を綴れるものだと感心するほど、重苦しい気持ちになります。
岩波新書ですが写真も豊富で、昭和三〇年代の坑夫たちの生活を垣間見ることができます。

悲惨な世界を覗きたいひとむけに。

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【書評】高田由紀子『青いスタートライン』 [書評・映画評(DVD含)]

新人児童文学作家の2作目です。


青いスタートライン (ノベルズ・エクスプレス)

青いスタートライン (ノベルズ・エクスプレス)

  • 作者: 高田 由紀子
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 単行本



デビュー作である『まんぷく寺でまってます』と同じく、作者のルーツである佐渡島が舞台になっています。
対象年齢としては、前作よりやや上に設定されているようです。
構成はかなり練りこまれています。
お母さんの入院で佐渡で過ごすことになった主人公である少年が、軽い憧れの気持ちから遠泳大会にエントリします。
主人公は佐渡の人々の支援を受けながら練習を重ねます。
その過程で、周囲の人々に頑張ることの素晴らしさを伝える種を撒いていきます。
ついに大会当日になり、主人公が完泳を成し遂げたとき、周りのひとたちも前に向けた一歩を踏み出します。
綺麗な終わり方だと思います。
細かいところですが、冷蔵庫に麦茶がなくて、主人公が炭酸飲料を取るシーンが上手いと思いました。
それがシーンの最後に炭酸がのどの奥でパチっと弾けるにつながるのですが、それが様々な感情とリンクしています。

佐渡の美しい風景ともに、作者の佐渡愛が溢れている作品だと思います!

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【書評】鳴海風『算聖伝』 [書評・映画評(DVD含)]

和算の頂点に立つ、関孝和を主人公とした伝記風小説です。


算聖伝―関孝和の生涯

算聖伝―関孝和の生涯

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2000/10
  • メディア: 単行本



関孝和は和算の発展に大きく寄与した人物です。
当時の和算はまさに算数で、現代の小中学生が扱う1次方程式(天元術)を解くことが最新でした。それが、関孝和の登場により、一気に大学研究室レベルに引き上げられました。
それほどの業績を残した関孝和ですが、生涯をたどる資料はきわめて少ないです。作者は関孝和の生涯を空想で埋める必要があります。
作者の力量が問われるところですが、鳴海風は大胆にも関孝和は最新の数学をキリシタンから学んだという設定を作り上げました。
その設定を成立させるために、関孝和は密かに大目付井上政重の甥として育てられたとか様々な履歴を作り上げました。
この辺りは好みが分かれるところですが、アリといえばアリかな、という感じです。
その一方で、関孝和が数学の理論を作り上げていくシーンは少ないです。

和算を中心とする時代小説を読みたいひと向けに!

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【書評】鳴海風『美しき魔方陣~久留島義太見参!~』 [書評・映画評(DVD含)]

久留島義太は江戸時代に実在した伝説的和算家です。


美しき魔方陣―久留島義太見参! (小学館文庫)

美しき魔方陣―久留島義太見参! (小学館文庫)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫



著者は和算をテーマにした書籍を多数発表しています。
久留島義太は天才的和算家で、大酒飲みで、生活はデタラメだったようですが、あらゆる難問をたちどころに解く頭脳を持っていました。
ただし、本書は伝記ではありません。久留島義太についての資料は限られるため、空白だらけです。その空白を作者の創作で埋め、独特の時代小説として仕上げています。
前半はストーリーの軸が見えず、かなりモッサリしています。
しかし中盤を超えた当たりから道筋が見えてきて、ラストはやや強引ながらも、和算家らしいまとめで終えています。
一風変わった時代小説を読みたいひとのために!


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【書評】鳴海風『星に惹かれた男たち~江戸の天文学者 間重富と伊能忠敬~』 [書評・映画評(DVD含)]

江戸の天文学者にスポットライトを当てた本です。


星に惹かれた男たち    江戸の天文学者 間重富と伊能忠敬

星に惹かれた男たち 江戸の天文学者 間重富と伊能忠敬

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: 単行本



メインは間重富と高橋至時ですが、前後の時代も厚く書かれているため、和風天文学の発達や天文学に必須である和算の歴史まで学べます。ちなみに伊能忠敬は間重富と同世代であり、重富に和算、天文学、測量術を学んでいます。
観測所の変遷や、いまでは埋もれてしまった学者たちの一面など、かなり幅広いです。その分、ひとつひとつの記述は軽めですが、この本をきっかけにして、様々な人物へ興味の手を伸ばすことができます。知識の入口になる本だと思います。
鳴海風は小説家です。
ときおり創作裏話がでてくるのが参考になります。

江戸時代の天文学をより知りたいひとのために!

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【書評】高野和明『ジェノサイド』 [書評・映画評(DVD含)]

圧倒的なスケール感で迫るエンターテイメント大作です。


ジェノサイド 上 (角川文庫)

ジェノサイド 上 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




ジェノサイド 下 (角川文庫)

ジェノサイド 下 (角川文庫)

  • 作者: 高野 和明
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2013/12/25
  • メディア: 文庫




第2回山田風太郎賞受賞、第65回日本推理作家協会賞……といった肩書がかすむほど圧倒的に面白いです。
本作は主に3本の柱で進んでいきます。
1本目が難病に冒された息子の治療費を稼ぐためにコンゴの奥地に送りこまれる傭兵。
2本目が日本で難病の特効薬の開発をする大学院生。
3本目が傭兵を指揮するアメリカ政府首脳です。
メインストーリーは1本目なのですが、サブストーリーはメインを引き立てるだけでなく、それぞれにドラマがあり、1本立ちできるだけのストーリーが組み立てられています。
そのうえで3本を絡ませ、まとめて収束させていくこの構想に圧巻です。
そして、特筆すべきは、綿密な調査だからこそ生み出せるリアリティーです。
著者は本作を発表するまで3年のブランクがありました。
調査を始めたのはさらに3年前とのことですから、都合6年の歳月を費やした作品といえそうです。
それだけの価値のある作品だと思います。

長編エンターテイメントの傑作だと思います!

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【書評】鳴海風『江戸の天才数学者~世界を驚かせた和算家たち~』 [書評・映画評(DVD含)]

江戸時代を彩る和算家たちを紹介です。


江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

江戸の天才数学者―世界を驚かせた和算家たち (新潮選書)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/07
  • メディア: 単行本



年代順に並んでいるので、人物だけでなく和算の歴史も学べる親切設計です。
とても読みやすいです。
まず和算が流行するきっかけを作ったとも『塵劫記』吉田光由から始まり、教科書にも載る関孝和、オイラーの公式を欧州より15年前に発見した建部賢弘、さらに指導者として地方を旅して回った山口和など、多彩なラインナップとなっています。
和算という日本独特の文化を知るきっかけになる本だと思います。

江戸時代の意外な一面を知りたいひと向けに!


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【書評】鳴海風『和算の侍』 [書評・映画評(DVD含)]

和算をテーマにした時代短編連作集です。


和算の侍 (新潮文庫)

和算の侍 (新潮文庫)

  • 作者: 鳴海 風
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/09/28
  • メディア: 文庫



なにより注目は、第16回歴史文学賞を受賞した『円周率を計算した男』です。
主人公は円周率の公式を欧米に先駆けて発見した建部賢弘で、算術に没頭する侍たちの苦悩を描き出しています。
和算は日本独自の数学で、関孝和にとって突如として発展し、その後流派ごとの秘密主義が横行して発展が停滞しました。
そして、明治維新とともに欧米の数学が流れ込み、急速に駆逐されてしまいます。
数学がテーマと聞くと尻込みしそうですが、人間ドラマがきっちりと書かれているので、公式が分からなくても歴史小説として楽しめます。

一風変わった世界を知りたいひとのために!


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