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【書評】団鬼六『真剣師小池重明』 [書評・映画評(DVD含)]

 人生はメチャクチャだが、将棋は滅法強い。そんな小池重明の生涯を、晩年を知る団鬼六が書きます。


真剣師 小池重明

真剣師 小池重明

  • 作者: 団 鬼六
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2011/05/28
  • メディア: 単行本



 昔、日本には賭け将棋で生計を立てる真剣師という商売?がありました。昭和50年代に真剣師になった小池重明は、その最後の世代に当たります。
 小池重明は高校時代に将棋を覚えた晩学のひとです。
 実戦につぐ実戦で将棋を鍛え、序盤はメチャクチャだが中盤で相手を惑わし、終盤力で圧倒する。そのような将棋を身につけます。
 小池重明は酒と女にだらしがなく、計画性がゼロでした。働いていた店の金庫から金を無断で持ち出し、女と駆け落ちすること数知れず。金を借りては酒とギャンブルに使い果たすという、まさにダメ人間の典型です。
 しかし、人当たりがよく、気が小さくて同情屋。そんなことから、いつも昔の仲間や、支援者が手を差し伸べます。
 そして、将棋は滅法強い。アマチュアから棋士になり、九段にまで上り詰めて名人戦の挑戦者になった花村元司に迫るかもしれません。アマ相手では敵無しで、問題を起こして消息を経ち、ふらりと現れて当時プロ棋士を次々に破っていた天野高志を2連勝で下します。
 プロとの対戦も多く平手でも勝ち越すどころか、森棋聖(当時)を平手で破るなど、アマとしては桁違いでした。将棋は喧嘩の殴り合いみたいな感じで、勝負勘が動物並みで、秒読みでも相手のミスを素早く発見し、そこを突いて一気に寄せきってしまう。まさに天才と呼ぶべき将棋指しでした。
 そして、長年の不摂生のツケが溜まり、平成4年に44歳で帰らぬ客となります。

 これだけ破天荒な人生を送ったひとは珍しいと思います。回りに迷惑を掛けまくり、何度も立ち直ると約束しては裏切ってきました。
 それでも支援者が現れる愛されるキャラクター。
 団鬼六の小池重明への思いが伝わる、貴重な将棋馬鹿の記録だと思います。
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